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ワン・アンド・オンリー 

今日もダルい一日でした。左肩が痺れています。なんなんでしょうね、いったい。

頭を無駄に使う作業をしているので、せっかく体調が良くなりつつあるのに、頭痛が復活しています。甘いものも欲しくなりますね。

早く帰れるかと思ったら、いつものごとく遅くなる。
足腰まで痺れてきて、イヤになって帰ってきました。

うちに帰れば、テレビがつけっぱなしなんですよ。私にはノイズにしか聞こえません。だもんで、この時間はヘッドフォンでCDをかけて聴いています。寝るときもテレビはついているので、耳栓とアイマスクをすることでチカチカしてイライラするのを耐えています。

まぁ、こういうことがイヤで、家を出て一人暮らしをしたんですが、てんかんを発症させるわ、父親、祖母と立て続けに亡くなってしまったため、実家に戻ってきたわけです。

もう、何年も経つというのに、いっこうに「俺の場所」的感覚がありません。

隣のうちのガキんちょは、虐待を受けているんじゃないかと思うほど良く泣きわめいています。階段をドカドカと上ったり降りたりして、うるさくてたまりません。それ以上にうるさいのは、その母親で、もう性格なんでしょうね。わざと子供の神経を逆撫でする口調で怒鳴り散らすありさまです。いいがげん、小学校か中学に通っている歳なんだから、おとなしくなると思うのですが、期待するだけ無駄のようです。

あーぁ、ウザいねぇ。だから、独りになりたいんだけどなぁ。

前置きが長々と続いてしまいました、。本題の 一人暮らしの思い出 でも書いてみますかね。



    「ワン・アンド・オンリー」

私は小さい頃から絵を描くのが好きでした。
犬やら、虫やら描いて遊んでまして、小学校に入学し、誰もが経験する「挫折」を味わうわけですよ。

  「コイツには、勝てない、、、」と。

鉛筆でも、水彩でも、「上には上がいる」ってやつです。だんだんと絵を描くことが苦痛になってきまして、中学のころは頭の中がめちゃくちゃになってましたね。

で、高校→就職→体調不良といろいろあって、つまらない日々を過ごしていました。ある日、本屋に行ってぶらぶらしていたら、何となく「絵画」の棚の前に立っていました。当時「はがき絵」が流行始めた頃です。はがき絵の描き方とか、水彩で描くうんたらとか、何冊か並んでいて、目を移していくと、「鉛筆画」という文字、いわゆるデッサンと呼ばれるたぐいのものです。


「やさしい鉛筆画」というタイトル。


するりと、手が伸びてページをめくる。

鉛筆の濃さのバリエーション。
持ち方・削り方
影と陰
ねり消しゴム
擦筆 (さっぴつ)

ん、さっぴつって何だ?と思いながらページをめくるたびに、「こんなふうに描けるんだ。」とムクムクとこみ上げてくるものが感じられました。

もう、他人と比べることもない。
やってやる。さぁ、用具を買いに行こう。

会社の近くにある小さな画材屋にいき、いろいろ買いそろえる。

鉛筆 2H~6B
消しゴムと練り消しゴム
さっぴつ 太 細
クロッキー帳
スケッチブック 安いもの
折りたたみ式イーゼル
パネル (画板)

一通りそろえて、鉛筆をカッターで削ってみる。
こんなに、鉛筆の木って柔らかかったっけ?とか、
擦筆の魔力にとりつかれたり、
練り消しの妙技に驚いたり、

全てが新鮮で、楽しかった。

いくつか練習して、いざ、「気合いを入れて描いてみるか」と、気に入っているCDのジャケットの写真を模写する。

髪の毛、目の位置、瞳の大きさや、微妙な陰影を擦筆や練り消し、細かくした消しゴムを駆使して、描いていく。

あぁ、これだ、頭の中が真っ白で集中している感じ。

で、「これで、完成かな。」というとこまで描き、せっかくなので額に入れてみようと、画材屋に行って額を選んでもらう。
そのとき、はじめて「マット」というものを知り、どの範囲までトリミングするか店員さんと相談する。トリミングしたマットで飾られた絵はなんか上手く描けた錯覚を起こし、マットの力ってすごいなぁと思ったり。

今度はもっと、濃く描いてみたら?
と言われ、2週間後出来上がった絵を抱えていくと店員さんは目を丸くして「すごいね。夕日の照り返しが上手くでてるし、髪の毛の描き方もいいね。BOOK喜んでるよ。」とお世辞か、ほめてもらってるのかよくわからないが、また、額縁に入れてもらったあと、しばしできあがった絵を見ながら店員さんと話す。「一番苦労したのは 歯 です。」とか、うんたら、と。

その後も、何枚か描いてみる。気に入った写真を模写していく。すっかり、鉛筆画の虜になっていたのです。

休みはほとんど絵を描いていました。
儀式めいたことをして絵を描くようにまでなり、といっても、

シャワーを浴びて、
コーヒーを淹れて、
タバコを吸って、
好きな音楽を聴きながら、鉛筆を研ぐ、

という、決まり事をしてから描き始めるわけです。
「似てる、似てない。」は別として、心がすーぅっとして あぁ、神様ありがとう。と思わずにはいられませんでした。

でも、そんなささやかな幸せは長くは続かず、仕事に忙殺され、頭がおかしくなり、生きているのがつらくてたまらなくなっていきました。

亡くなった父の言葉を思い出す。

  「ぜったいに、自殺はしないでくれな。」と

実家に戻ってきて、いまだ荷物の整理ができておらず、絵を描く環境でもなく、(自分の意志次第だと思うのですけど)ほったらかしです。今度描くのはいつになるやら。


描きかけですが、
[ 2009/05/27 00:54 ] 鉛筆画 | TB(0) | CM(0)